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2022.01.31
資金計画

建築士に費用ごとで建てられる住宅の特徴を聞いてみた

建築士に聞く家づくりにかかる間接費用や平均の建築費や建築費を抑えるコツとは

目次

 

注文住宅でも建売住宅でも建築時にはお金に対する疑問が出てきますよね。

 

「注文住宅は自由に設計できて魅力的だけど手元の資金を考えると建売住宅が現実的かも」
「予算は少ないけど妥協した住宅購入はしたくない」
こんな考えを持つ方も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、理想を現実にする建築士に費用ごとで建てられる住宅の特徴を聞いてみました。

建築士に聞く家づくりにかかる総費用は本体工事費と別途工事費と諸費用

家づくりにかかる総費用

家づくりには総費用(建築費)には、大きく分けて「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つがあります。

本体工事費

本体工事費は土台や基礎、柱や内外装など家の建築に必要な費用です。

一般的には建物に付帯する水道や電気関係など、設備工事の一部も含まれています。

別途工事費

別途工事費は水道管の引き込みや配水管、ガス工事などを指します。

門やカーポートなどの外構や造園工事、古い家の解体費用もこれに含まれます。
他にもカーテンや照明器具、空調設備や通信設備などの工事もこれに該当します。

諸費用

諸費用は工事以外にかかる諸費用です。

主な諸費用は建築確認申請や各種登記手続き、設計や施工管理料。
地鎮祭や上棟式、電話の加入金や保険料なども諸費用です。
折込チラシなどで「1,000万円で家が建つ」などと書いてあるのは注意が必要です。

広告の隅に「本体工事価格」と注釈があれば、別途工事費や諸費用は含まれていません。

建築士に聞く住宅の間接経費とは印紙税や不動産取得税や固定資産税など

住宅建設の間接経費

ここでは住宅建設の間接経費を解説します。

印紙税

印紙税は工事請負契約や住宅ローン借入れ時に必要な、金銭消費貸借契約書などに添付する印紙の費用です。

金額によって200円~10万円と変動するので、正式な金額は申請時に確認しましょう。

不動産取得税

不動産取得税とは土地や建物を取得する際にかかる税金。

土地は評価額×1/2×4%・建物は評価額×3%にて徴収されます。
新築住宅の場合では事前申告すれば土地と建物ともに特別軽減特例があります。

固定資産税

固定資産税は土地や建物を取得した翌年からかかる税金です。

固定資産税の税額は自治体によって異なっていて、一定条件を満たせば軽減措置もあります。
購入前に一定条件を確認しておくと安心です。

都市計画税

都市計画税は、新築住宅が都市計画区域の市街化区域内にあると課税対象になります。

都市計画税の税額も自治体によって異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

この他にも必要な間接経費もあるので、詳しくは購入する不動産会社に確認しましょう。

建築士に聞く注文住宅の平均の建築費とは

注文住宅の平均的な建築費は?

注文住宅の平均的な建築費を解説します。

 

ある住宅観点会社の調査によると、注文住宅取得の全国平均資金は約3,500万円・土地付きは4,500万円程度となっています。
最近では2,000万円台で家づくりを検討する相談者が多く、2,000万円~3,000万円の予算があれば実現可能とのこと。

 

それ以下の金額でも、工夫次第では理想の家が建てられるそうです。

建築士に聞く資金計画の3つのポイントは予算とローンと借り入れ先

上手な資金計画を作る3つのポイント

ここでは資金計画を作る時に押さえる3つのポイントを解説します。

諸費用も含めて予算を立てる

先程解説した諸費用も含めた予算立てが必要です。

諸費用と土地取得費用、建物費用など総合的な費用を認識して作りましょう。
「予想外の費用がかかって工面が大変だった」「最初にしっかりと資金計画作れば良かった」など、後悔した方も多いのが現状です。

ローンの借入れ

ローンの借入れは低金利の公的融資から組むのが基本です。

経済情勢で金利が変わる変動金利も、現在はかなり低金利の民間ローンもあります。
保有している予算では足りない場合や、長期的な借入れを考えている場合には低金利ローンを探してみましょう。

どこから借りるか

どこから借りるかも資金計画を作る上で大切なことです。

最初に「自分で用意出来る資金」を書き出しましょう。貯金や親族からの援助、土地や不動産売却などの合計金額です。

おすすめの借入れは低金利が特徴の住宅金融公庫です。
ただ、住宅金融公庫融資も、低金利や高金利の融資などさまざま。

自己資金と低金利融資分の合計で賄えるようにするのがポイントですが、どうしても足りない場合は、県や市町村などの住宅建設資金融資制度を確認しましょう。

建築士に聞く建築費用を抑えるポイントは優先順位を決めることや床面積を減らすことなど

建築費を抑える3つのポイント

最後に建築費を抑える3つのポイントを解説します。

住みながら家を完成させる

住みながら家を完成させることもポイントです。

「この空間を確保していずれ趣味の部屋にしたい」「階段下の空間に物置に設定しよう」など、中長期的な視点で対策を考えましょう。
併せて、「子どもが増えたときのために1部屋増やそう」など、家族構成の変化も見越したスペース確保も欠かせません。

 

一軒家なら増築や空間に仕切りを設けられるので、家族構成の変化も含めて建築士などの専門家に相談しましょう。
「全ての夢を叶える家にしたい」など最初から完璧な状態を目指すのではなく、毎日の生活に合わせた住環境にしておくことが建築費抑制に繋がるのです。

必要でやりたいことに優先順位をつける

家族全員がやりたいことに優先順位をつけることも大事なポイント。

「どんな家(生活)にしたいか」「これだけは譲れない」などを考えながら希望をどんどん書いていきます。
要望が全て出たら「ここは夫婦で意見が合致する」「これは無くてもいいか」などと優先順位をつけましょう。

 

最終的には優先度の高い物を上位10個までにリストアップします。
そのリストがあればカタログや広告に惑わされない家づくりに集中できるのです。
話し合いやリストアップを怠ったことで、「満足感もない高額な住宅ローン」以上に無駄な出費はありません。

床面積を減らす

床面積を減らすことも忘れないようにしましょう。

床面積が広がると建築費も増加します。
購入した土地に全て家を建てるのではなく、設計の初期段階では可能な限り小さい床面積で予算を作りましょう。
家の角を削り2階部分をバルコニーにするだけでも基礎工事費などが抑えられます。

 

床面積は狭くても窓を大きくして空間を広く見せられますし、ワンルームのような間取りにして工事費を押さえる方法もあります。
広い床面積の設計を後から小さくするには時間も労力が必要なので、床面積の広さだけに囚われないことを意識しておきましょう。

まとめ

今回は、理想を現実にする建築士に費用ごとで建てられる住宅の特徴を聞きました。

家づくりにはさまざまな費用が掛かりますが、無理のない資金計画を作ることで予算内で素敵な家が建てられます。
優先順位をしっかり付けて、後悔しない家づくりをしたい方は、今回の記事を参考にされてください。